「アフターデジタル」/「アフターデジタル2」藤井保文

藤井保文さんの「アフターデジタル」と「アフターデジタル2

オフラインの世界で、インターネットにつながったオンラインの付加価値をつけていくというのが従来の考え方。しかし、今や、オンラインとオフラインの境界が無くなり、その主従関係も変わっているという世界になっているということを海外の事例(特に、中国。進んでいる!)を紹介しながら解説しています。目から鱗が落ちる一冊。

メーカーに勤めていると、プロダクトをいかにして売るか?、改善するか?という視点になりがちでしたが、そういったモノ売りのプロダクト志向になってしまいます。しかし、そういった考えから脱却し、いかにユーザーとの接点を増やし、データを取得し、ユーザーに人に教えたくなるような体験(=価値)を提供し続けられるかという考えが重要だと気づかされます。

単に、「データを取ればいい」訳では無く(解釈できない生データは買ったり、使ったりされない!)、どんな人にどんなベネフィットを提供するかを先に描かなければならないというのは注意しなければならないなと感じました。

会社でも、結構、「データを集める」、「エコシステムを作る」みたいな話になりがちですが、かなり漠然とそういった話になっていました。実際問題として、データは整理することが必要で、エコシステムを作っても、コストが高く、面倒なデータの整理を誰が主導するのか?といった問題があり、実のところ、誰もやる人がいなくて絵に描いた餅になりそうです。

事業開発、製品開発、マーケティング・・・など、様々な人に、従来の考え方を見直すきっかけとして、是非、読んで頂きたい本です。