「月と蟹」道尾秀介
鎌倉を舞台にした、小学生が主人公の物語。
転校してきたクラスに馴染めない、2人の小学生。二人は次第に、秘密の隠れ家で一緒に過ごすように。
隠れ家でヤドカリを神様に見立てたお祈りの儀式を行ううちに、最初はちょっとしたお願いごとだったお祈りも、いつしか・・・
無力感、不安、嫉妬、孤独感を抱えた少年の危うさが緻密に描かれています。が、その分、読んでいる時に重たくのしかかるものを感じます。
主人公を通して人間の普遍的な危うさなどを描いている人間ドラマで、読書にエンタメ要素を求めている人(同じ作者の カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) のようなものを期待する人)には合わないかもしれません。