2021-01-01から1年間の記事一覧
藤井保文さんの「アフターデジタル」と「アフターデジタル2」 オフラインの世界で、インターネットにつながったオンラインの付加価値をつけていくというのが従来の考え方。しかし、今や、オンラインとオフラインの境界が無くなり、その主従関係も変わってい…
伊坂幸太郎さんの「砂漠」。 社会に出る前のモラトリアム期間を過ごす大学生の男女5人の日常を中心に描いた青春小説。ものすごく大きな事件が起きる訳では無いのですが、どこにでもいそうな登場人物達の日常だからこそ、過去の学生時代を思い起こしつつ、世…
今村 翔吾さんの「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)」。 江戸時代の火消しを題材にした時代小説。主人公の松永源吾は「火喰鳥」の異名を持ち、かつて、江戸随一の火消しの評価を得ていた。 しかし、過去の火事が原因で火消しを離れ、浪人暮らしとなってしま…
米澤 穂信さんの「満願」。 2014年の「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、「このミステリーがすごい!」で1位を獲得し、史上初の3冠に輝いた作品。 「儚い羊たちの祝宴」では独特の世界観が描かれていましたが、本作は、交番勤務の警察…
百田尚樹さんの「影法師」 学問も、剣も、誰よりも達者で、人格者だった幼馴染の彦四郎。そんな完璧だったはずの彼が、なぜ、白昼堂々、女性に狼藉を働き、行方をくらまし、不遇の死を遂げたのか。 下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は、20年ぶりに…
伊坂幸太郎さんの「グラスホッパー」 妻を殺され、復讐を目論む元教師の「鈴木」、相手を自殺に追い込む、自殺屋の「鯨」、ナイフ使いの若者「蝉」。 「鈴木」の復讐の相手である寺原の息子は、「鈴木」の目の前で通りすがりの車に轢かれて死んでしまうが、…
米澤 穂信さんの「儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)」。 夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」を共通点とした5つの事件が描かれた短編集。 Twitterで評判が良かったのですごく期待して読んだのですが、一話目を読み終えた時には、正直なところ…
南木佳士さんの「阿弥陀堂だより」。 自信を喪失した作家と、医師として活躍していたが精神的に病んでしまった妻。故郷の長野に移り住み、村での生活や阿弥陀堂のおうめ婆さんらと交流する中で、心身ともに少しずつ変化していきます。 村の寂れた、もの悲し…
喜多川泰さんの「運転者」。 何で自分ばっかりこんな目に合うんだ・・・と不運を呪い、イライラする主人公の前に表れた不思議なタクシー。 料金は不要で、運が良くなる機会を与えてくれる場所に運んでくれる謎の運転手との会話や、行く先々での体験を通じて…
北村薫さんの 「空飛ぶ馬」。 女子大生の主人公と、大学の同窓の先輩である、噺家の円紫師匠が日常の謎を推理していく短編集。 博識で、大人な円紫師匠が名探偵ぶりを発揮します。殺人などの大きな事件ではなく、「喫茶店で3人の女性が紅茶に大量の砂糖を入…
三浦しをんさんの「のっけから失礼します」。 ご自身の年齢や容姿をいじりつつも、乙女心満載の爆笑エッセイ。 感動作「風が強く吹いている」や直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」の作者とは思えないくらい、ユーモア(おふざけ?)あふれる内容です。 4…
伊坂幸太郎さんの「ラッシュライフ」 画家、泥棒、教祖に惹かれる青年、医師、失業者を主役とした5つのストーリーがあちこちで繋がりながら、並行して進んでいきます。 ユーモアもあり、読み進めるに連れて「あの時のあれ/あの人が!?」と繋がっていく様は…
百田尚樹さんの「夏の騎士」 クラスでもパッとしない小学生3人が騎士団を結成し、友情、恋、冒険を経験しながら成長していく、昭和を舞台にしたお話。 私が主人公と同い年ということもあり、作品中の世界観や、自身の子ども時代を懐かしく思いつつ、「勇気」…
島田壮司さんの「毒を売る女」 毛色の違う8つの作品が収められた短編集。 表題作の「毒を売る女」は、我が家にも幼稚園児がいて、いろんなママがいるんだなというのは日頃から感じていたので、表題作で描かれている幼稚園のママ友の妬みや攻防はちょっとリ…
道尾秀介さんの「背の眼」 道尾秀介さんのデビュー作にして、ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。子どもが行方不明になる事件が続くとある村に、作家の道尾と、旧友の霊現象探求所の真備が訪れ、心霊現象を解明するお話。 心霊現象を扱っているものの、ホラ…
島田荘司さんの「切り裂きジャック・百年の孤独」 1888年に実際にロンドンで起きた切り裂きジャック事件。その100年後にベルリンでそっくりな事件が起きる・・・ 切り裂きジャック事件をモチーフにした事件を描きつつ、現在も未解決のロンドンの切り裂きジャ…