2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「アイネクライネナハトムジーク」伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの「 アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) 」 恋愛や友達を描いた連作短編集。 殺し屋も、泥棒も出てくることなく、大きな事件もなく、とても穏やかに進んでいきますが、それでも楽しく読め進められるのは伊坂幸太郎さんのすごいところ…

「カラフル」森絵都

森絵都 カラフル (文春文庫)?。 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされた主人公。天使業界の抽選に当たり、 輪廻のサイクルに戻るチャンスを得たが、その条件は、自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出すこと。…

「手紙屋」喜多川泰

喜多川泰さんの 手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜 。 就職活動で悩む主人公と、手紙を通じて人の人生に役立つ情報を提供する「手紙屋」の間で交わされる手紙のやり取りで進行する物語。 自分が就職活動をしていた時、或いは、今も持っているであろ…

「風神の手」道尾秀介

道尾秀介さんの「風神の手」。 遺影専門の写真館がある街を舞台にした、時代/世代の異なる4つのお話で構成された作品。 個々のお話で起こるたくさんの出来事や "嘘" が互いに影響し合っていて、今の自分たちの存在もまた、過去の出来事の結果であるというの…

「ジェリーフィッシュは凍らない」市川 憂人

市川 憂人さんの? ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫) 第26回鮎川哲也賞受賞作。 80年代を舞台にした、少しSF的な要素があるクローズド・サークルものです。 新しい技術を搭載した小型飛行船"ジェリーフィッシュ"。技術の開発者6名を乗せた試験飛…

「シャドウ」道尾秀介

道尾秀介さんの シャドウ (創元推理文庫) 本格ミステリ受賞作。 学生時代から付き合いのある両親と、子供が小学校の同級生でもある二組の家族。そこで起きる自殺や、父親たちの異変の真相とは・・・ 小手先のトリックの技巧ではなく、人間の精神の複雑さや壊…

「十角館の殺人」綾辻行人

綾辻行人さんの 十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) ツイッターでものすごく評判が良かったので、ずっと気になっていた作品。 孤島の大邸宅を舞台にした連続殺人・・・という、昔ながらの推理小説という感じでしたが(建物の見取り図や孤…

「輝く夜」百田尚樹

百田尚樹さんの 輝く夜 (講談社文庫) クリスマスを舞台にした、幸の薄い女性が主人公の短編集。 主人公に素敵な奇跡(ファンタジー要素強め)が起きる、心温まるお話の数々。文体も、ボリューム的にも読みやすく、ハッピーエンドのお話で読後感はとても良い…

「光媒の花」道尾秀介

道尾秀介さんの 光媒の花 (集英社文庫)。 山本周五郎賞 受賞作品。 部分的にリンクする6つの章で構成された短編集。"カラスの親指"で見せたエンタメ的要素は一切無く、最初から暗さや悲しさが重くのしかかります。 すべての章を読むことで、登場人物の別の一…

「カラスの親指」道尾秀介

道尾秀介さんの カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) 借金を肩代わりしたことをきっかけに人生が狂ってしまい、もう、損な生き方はしないと、詐欺師として生きる道を選んだ武沢。同じように、借金取りに追われ、家族を失っ…