「龍神の雨」道尾秀介

道尾秀介さんの「 龍神の雨 」。大藪春彦賞受賞作。 実の親を事故や病気で両親を失った、継父と暮らす兄妹と、継母と暮らす兄弟の2組の兄弟を描くサスペンス。 不遇な境遇の中で、ちょっとした勘違いや思い込みで、人を傷つけてしまったり、罪をおかしてしま…

「月と蟹」道尾秀介

道尾秀介さんの「 月と蟹 」。第144回直木賞受賞。 鎌倉を舞台にした、小学生が主人公の物語。 転校してきたクラスに馴染めない、2人の小学生。二人は次第に、秘密の隠れ家で一緒に過ごすように。 隠れ家でヤドカリを神様に見立てたお祈りの儀式を行ううちに…

「アイネクライネナハトムジーク」伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの「 アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) 」 恋愛や友達を描いた連作短編集。 殺し屋も、泥棒も出てくることなく、大きな事件もなく、とても穏やかに進んでいきますが、それでも楽しく読め進められるのは伊坂幸太郎さんのすごいところ…

「カラフル」森絵都

森絵都 カラフル (文春文庫)?。 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされた主人公。天使業界の抽選に当たり、 輪廻のサイクルに戻るチャンスを得たが、その条件は、自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出すこと。…

「手紙屋」喜多川泰

喜多川泰さんの 手紙屋〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜 。 就職活動で悩む主人公と、手紙を通じて人の人生に役立つ情報を提供する「手紙屋」の間で交わされる手紙のやり取りで進行する物語。 自分が就職活動をしていた時、或いは、今も持っているであろ…

「風神の手」道尾秀介

道尾秀介さんの「風神の手」。 遺影専門の写真館がある街を舞台にした、時代/世代の異なる4つのお話で構成された作品。 個々のお話で起こるたくさんの出来事や "嘘" が互いに影響し合っていて、今の自分たちの存在もまた、過去の出来事の結果であるというの…

「ジェリーフィッシュは凍らない」市川 憂人

市川 憂人さんの? ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫) 第26回鮎川哲也賞受賞作。 80年代を舞台にした、少しSF的な要素があるクローズド・サークルものです。 新しい技術を搭載した小型飛行船"ジェリーフィッシュ"。技術の開発者6名を乗せた試験飛…

「シャドウ」道尾秀介

道尾秀介さんの シャドウ (創元推理文庫) 本格ミステリ受賞作。 学生時代から付き合いのある両親と、子供が小学校の同級生でもある二組の家族。そこで起きる自殺や、父親たちの異変の真相とは・・・ 小手先のトリックの技巧ではなく、人間の精神の複雑さや壊…

「十角館の殺人」綾辻行人

綾辻行人さんの 十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) ツイッターでものすごく評判が良かったので、ずっと気になっていた作品。 孤島の大邸宅を舞台にした連続殺人・・・という、昔ながらの推理小説という感じでしたが(建物の見取り図や孤…

「輝く夜」百田尚樹

百田尚樹さんの 輝く夜 (講談社文庫) クリスマスを舞台にした、幸の薄い女性が主人公の短編集。 主人公に素敵な奇跡(ファンタジー要素強め)が起きる、心温まるお話の数々。文体も、ボリューム的にも読みやすく、ハッピーエンドのお話で読後感はとても良い…

「光媒の花」道尾秀介

道尾秀介さんの 光媒の花 (集英社文庫)。 山本周五郎賞 受賞作品。 部分的にリンクする6つの章で構成された短編集。"カラスの親指"で見せたエンタメ的要素は一切無く、最初から暗さや悲しさが重くのしかかります。 すべての章を読むことで、登場人物の別の一…

「カラスの親指」道尾秀介

道尾秀介さんの カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) 借金を肩代わりしたことをきっかけに人生が狂ってしまい、もう、損な生き方はしないと、詐欺師として生きる道を選んだ武沢。同じように、借金取りに追われ、家族を失っ…

「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)。 大学の新入生 椎名は、引っ越してきたアパートの隣に住む "河崎" と出会い、本屋から広辞苑を強奪する手伝いをすることに・・・ 語り手の異なる、現在と2年前の2つの話が同時進行し、意外な…

「月の砂漠をさばさばと」北村薫

北村薫さんの 月の砂漠をさばさばと (新潮文庫) 母親と娘の日常のほのぼのとしたユーモアあふれるやり取りと、おーなり由子さんおやさしい挿し絵が相まって、温かい気持ちになります。 子ども向けかもしれませんが、林家たい平さんや又吉さんもお気に入りら…

「ロジカルライティング」照屋華子

照屋華子さんの ロジカル・ライティング (BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING) プレゼンなどの提案資料や報告書に限らず、日常のメールなど、日本語できちんと書くシーンは山ほどあります。 しかし、ライティング技術を学ぶ機会は無かった…

「深紅」野沢尚

野沢尚さんの 深紅 (講談社文庫) 修学旅行中に家族を惨殺され、一人残された少女の心情の描写や、犯人が犯行に至る動機を述懐する描写が巧みで、双方の気持ちがわかる分、序盤から胸が苦しくなります。 12年後、少女は犯人に自分と同い年の娘がいることを知…

「とんび」重松清

重松清さんの とんび (角川文庫) 不器用な父親が見せる奥さんや息子への愛や、親子を見守る周囲の人達の暖かさに感動しました。とにかく泣けます(テレビドラマ版もお勧めです)。 忙しさにかまけて、自分は子どもと向き合えて無いのでは?とか、色々考えさ…

「アイデアのちから」チップ・ハース

チップ・ハースさんの アイデアのちから。 記憶に焼き付くアイデアの六原則について解説していて、プレゼンする機会の多い社会人/学生さんにはとても有益な本だと思います。 単純明快である 意外性がある 具体的である 信頼性がある 感情に訴える 物語性があ…

「ホワイトラビット」伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの? ホワイトラビット(新潮文庫) 。 「このミステリーがすごい!第2位」 「週刊文春ミステリーベスト10 第3位」 と、あったのですが、直前に読んだ「マリアビートル」と比べるとだいぶ薄味な印象(プリングルスとうす塩くらいの差)。終盤に…

「天上の葦」太田愛

太田愛さんの 天上の葦 上 (角川文庫) 渋谷のスクランブル交差点で絶命した老人が空を指さしていた意味とは・・・ 「犯罪者」、「幻夏」で活躍した、鑓水、修司、相馬の三人が、1,000万の報酬がかかったその謎に挑みます。 ボリューム満点ですが、最後まで飽…

「マリアビートル」伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの マリアビートル (角川文庫) 。 人をコントロールすることに長けている邪悪な中学生(王子)と、個性的な殺し屋達との攻防が新幹線という時間的な制約もある密室で繰り広げられます。 更に、意外な人物が参戦し・・・ それぞれの殺し屋のキ…

「AX」伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの AX アックス (角川文庫)。 ユーモア(と夫婦円満の為の知恵)を散りばめつつ、恐妻家の殺し屋が描かれているゆったりとした前半から一転、2/3を過ぎたあたりから大きく話が展開します。 面白いだけでなく、死や家族愛についても考えさせ…

「ナオミとカナコ」奥田英朗

奥田英朗さんの ナオミとカナコ (幻冬舎文庫) 。 DVに苦しむ親友を助けるべく、完全犯罪を目論むが・・・ 前半はナオミ視点、後半はカナコ視点で話が展開するのですが、後半のカナコさんの心理描写や、取り巻く人々の言動にハラハラドキドキ。「生きた心地が…

G検定対策のおすすめ書籍!

G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL2020#2)に合格しました! 合格したものの、公式テキストで勉強すれば万全!・・・という感じでもなかったので、自分が試験対策で使って有効だったと思う書籍などを紹介させて頂きます。 まず、公式テキストとされてい…

「マインドインタラクション AI学者が考える「ココロ」のエージェント」

元・人工知能学会会長の山田誠二先生(小野哲雄先生と共著)の マインドインタラクション AI 学者が考える「ココロ」のエージェント を読みました。 HAI(Human-Agent interaction)と呼ばれる研究分野は、人間とエージェントの間で様々な情報をやり取りする…